ドアが閉まらない原因5選
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原因①ラッチ
ラッチというのは、ドア側面に突き出た、開閉の時に引っ込んだり飛び出たりする小さい三角形の金具のことです。
ドアを閉める時にカチッと鳴るパーツですね。
ほとんどの場合はこのラッチが枠側のストライクといわれる鍵受けの穴に収まるようにできています。
ドアが閉まらない、あるいは閉まりにくい原因のひとつに、このラッチの不具合が考えられます。
ためしにテープでラッチを引っ込めたままにしてみて、ドアを開閉してスムーズに閉まるようなら、ラッチに原因があります。
「ラッチのすべりが悪い」「ゴミや埃が入り込んでしまって動きが悪くなっている」場合によってはなんらかの部品が壊れたか落ちたりしているかもしれません。
原因②ストライク
飛び出ているラッチを受ける側のストライクに原因がある場合もあります。
原因として考えられる事は「ストライクの位置がずれている」「穴に異物が挟まっている」などです。
ちなみに、ストライクには上下をビス止めしてあるものが多く、位置の調節ができるタイプもあります。
原因③蝶番(ヒンジ)
蝶番(ヒンジ)はドアと枠とをつなぐ金具です。
ドアを開閉するとその動きに合わせてチョウチョが羽をハタハタさせる動きのようになります。
蝶番(ヒンジ)は上下で2箇所の設置が多いですが、重たいドアになると3箇所のケースもあります。
ドアがうまく閉まらない時はこれが緩んでいたり、ずれたりしているケースがありえます。
また、このヒンジにはいくつかのタイプがあり、家のキッチンや洗面台などによく使われるユーティリティーのドアには、スライド式(ドアを開けると腕を伸ばした状態になる)と呼ばれる普通のヒンジに比べるとやや複雑に作られているタイプが多く見られます。
スライド式は食器棚や家具にも使われていることが多いタイプであり、一般住宅でのドアが閉まらないトラブルでも原因である事が多いです。(おそらく、スライド式はドアに使われることが多く、開閉頻度も高いため)
この場合の原因で多いのは、調整ビスの緩みとドアからの脱落です。
原因④ドア枠(ケーシング枠)
ドア自体に歪みがないとしたら、ドアの枠に原因があるかもしれません。
内部建具で多く使われている木製のドアでも、ドア自体が反ったり捩れたりして変形するということはほとんどありません。
今でも稀に寺院などの伝統建築では無垢材の一枚板が建具に使われることはありますが、そういうものでもない限りドア自体が変形数rことはかなりレアなケースになります。
金具などの部品類での調整や破損、あるいはドアそのものの傷み、老朽化以外で原因があるとするとドア枠になります。
ドア枠に原因があったとしても、ドア枠そのものの破損がない場合は建物全体の歪みが影響している可能性があります。
原因⑤引き戸の場合
引き戸が閉まらない、閉まりにくい場合は、戸車(とぐるま)のネジが緩んでいるか、レール部分にゴミやホコリがつまって滑りが悪くなっていることが多いです。
和室のフスマなどの場合はつくりが簡単なので、上部の溝との接触具合かレールのすべりが主な原因で、フスマそのものの反りも考えられます。
自分で出来るドアが閉まらない時の対策方法5選
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対策①ラッチ
ラッチを押して引っ込ませたり出したりして、ラッチの周りに詰まっているゴミや埃を取り除いてあげましょう。
ラッチの隙間は狭いため、つまようじなどを使ってゴミや埃を取るのもオススメです。
そして、ラッチのすべりを良くするためには潤滑油になるものを付着させます。
潤滑油には鍵用の潤滑剤(シリコンスプレー)がオススメです。
スプレーを直接ラッチに吹き付けるか、布などにスプレーを吹き付けたうえでラッチを拭きます。
KURE556というスプレータイプのものもありますが、持っていなければ鉛筆でもじゅうぶん代用ができます。
芯が柔らかい鉛筆の鉛の部分をラッチに押し付ければ潤滑できます。
対策②ストライク
まずは、ストライクの穴の中にゴミや埃がたまっていれば掃除をします。
そして、上下に打ってあるビスをドライバーで緩めてストライクを左右にスライドさせる形で調整し、ビスを仮締めして一回ドアの開閉を試してみてください。
しっくりくる位置が決まったらビスの本締めです。
この時、ビスを外してしまうと関連の金具がバラけて落下してしまうことがありますから緩めるだけにしましょう。
対策③蝶番(ヒンジ)
まず、蝶番(ヒンジ)のビスが緩んでいないかをチェックします。
緩んでいればドライバーで締めます。調整ネジ付きのタイプなら、時計回りか反時計回りで、ビスをドライバーでまわすなどして調整が可能です。
矢印に小さい文字でアドバイスが書いてあるものが多いので確認して回しましょう。
玄関のドアなどにはドアクローザーといわれる、ゆっくり閉まるように勢いを和らげるための小さいボックスがドア上のほうに付いています。
ドアクローザーが故障した場合、ドアが最後まで閉まらずに止まってしまったり、ドアの動きが固くなって閉まりにくくなる、などの症状がでることがあります。
この場合は装置ボックス側面のビスで調節できるものが多いですが、アーム部分の動きが悪くなっているか、古いものではすでに故障して寿命の場合も考えられます。
アームなどの可動部に原因があれば、潤滑油かグリスなどを塗って試してみます。
室内のユーティリティーによく使われているスライドタイプのヒンジの場合、「調整ビスの緩み」と「ドアからの脱落」という原因が多いのですが、調整ビスは本体側のセンターに付いていることが多く、よく見れば固定用のビスと見分けがつきます。
これをドライバーで回転させドアの角度や高さを微調整できます。
「ドアからの脱落」というのはドア側の固定ビスが外れるなどして落ちることです。
実はキッチンや洗面台などの水周りの面材には防水系の樹脂製の素材が多い反面、固定強度が弱くなってしまう欠点があります。
キッチンの収納ドアなどの固定は下穴を開けてビスに接着剤を併用しており、脱落してしまうと同じ箇所での修復は困難になります。
長めのビスを打ち込む方法も考えられますが、面材の表側にビスの先端が飛び出てしまう可能性が高いです。
先端が飛び出ても見た目を気にしないのであればカバーをしても良いのですが、見た目を気にする場合は根本的に位置を変えるか業者に頼ることになります。
対策④ドア枠(ケーシング枠)
まず、ドア枠にあきらかな異常がないか、確認しましょう。
明かな異常とは「ドア枠の側面が壁から剥離してしまっている」「上部が壁から落ちている」あるいは「片側だけ下がっている」などです。
また、手でドア枠をつかんでみればしっかり固定されているかどうかは感触でわかります。
今まで正常に使えていたのであれば、枠がゆがんで取り付けられたとは考えにくいです。
そのため、明かな異常がなければドア枠がゆがんでいる可能性があります。
古い家になると、建物自体にひねりが出て、目に見えないレベルでその影響を受けているということも考えられます。
しかし、まだ新しい家の場合は地盤に問題があり、沈下や傾斜をおこしているという可能性もゼロではありません。
地盤という大きな原因になると、素人が判定することは難しいため、専門業者へ依頼することになります。
しかし、まず自分で確かめられる事は下記の2つがあり、もし「築10年以内で複数に同様の不具合があった」場合は地盤に問題がある可能性は高くなります。
- 築10年以内であるかどうか
- 1箇所ではなく複数の箇所で同様の不具合が出ていないか
なぜなら、沈下が発生していればサッシュの窓などの開口部を含め建具全体に影響している可能性が高いからです。
また、家が傾いていると立っているだけでも違和感を感じたり、頭痛や寝付きが悪いなど健康・体調面にも影響します。
もし同様の不具合と体調面の問題どちらも発生していれば、地盤沈下の可能性は非常に高いためすぐに対応しましょう。
地盤沈下が原因の時はドアが閉まらないというトラブルどころの話ではありません。
対策⑤引き戸の場合
引き戸が閉まらない時は、なんらかの原因でアームが上がりロックされた状態になっている可能性もありますので、いったんドアを持ち上げて外してみましょう。
ドアを戻すと元通りに動く場合があります。
すべりが悪いときは、まずレールの汚れを取り除きましょう。
戸車のネジが緩んでいれば、締めます。
戸車にホコリが絡み付いているのはよくありますので、必ず掃除してください。
また、戸車で高さを調整できるタイプのものもあります。ドライバーでビスを回転させて調整します。
まとめ
ドアが閉まらない原因5選と対策方法5選について、解説してきました。
ドアや窓が閉まらない、開かないなどの建て付け系のトラブルはわりと新築に近い家でも発生します。
木造住宅の場合、木材が新しいうちは木の呼吸も活発で、空気中の水分による膨張・収縮があり、それが寸法の狂いとなって建具が固くなったりクロス(壁紙)のジョイントが目立ったりします。
しかし、これらは住宅の不具合とか施工の悪さとは関係ありません。むしろ新築の木造の証しです。
特に無垢材はクセがあるため乾燥しても反りが出ます。エンジニアウッド(集成材)は木材のクセを相殺する形で貼り合わせるのでかなり軽減できます。
施工した住宅会社のアフターメンテナンスでは通常、このような仕上げ面での保証は1年から3年程度で、以降は有償になります。
家にもよりますが10年くらい経ったころから、経年劣化や交換必要な箇所が出始めます。
ドアについてはなるべく不具合が生じないように、日ごろからドアの開閉に気を付けましょう。
勢いよく、力任せに扱ってはいけません。
ドアやドア枠を傷め、ゆがんだり破損したりする原因になります。
騒音をたてて開けたり閉めたりしないように、必ずドアノブやレバーを持ってやさしく開け閉めしてください。
さらに、トラブルが起こったとしても、焦って無理に開閉したり、ドアを無理に引っ張ったりしないようにしましょう。
ラッチが破損したり、ヒンジを傷めたり、ストライクの位置がずれたりします。
ドアの重量はヒンジだけで支えていますので、余計な重みをかけないようにしてください。
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