現在コロナウイルスが流行していますが、感染対策のひとつとして家庭内でのこまめな換気が挙げられます。
窓だけでなく玄関からの換気も推奨されていますが、玄関を開放しておく事は防犯面や虫の侵入が心配になります。
そこで私達がおすすめしたいのは、この2つの懸念点が解消されている「採風(通風)ドア」の導入です。
今回は採風ドアのメリットや選ぶポイント、工事にかかる費用についてまとめてみました。
「採風(通風)ドア」とは?
「採風(通風)ドア」とは、ドアが閉まっている状態でも風を室内に取り込める仕組みを持つドアの事を言い、主に玄関や勝手口に設置されます。
扉に開閉可能な小窓やスリットが配置されており、そこから室内に風を取り入れることができます。
従来の玄関ドアは防犯性の重視から、窓が付かない閉めきったデザインが一般的でした。
そのため玄関というのは空気の流れが滞りやすく、梅雨のジメジメした時期は湿気がこもり、臭いやカビの発生の原因の一つとされてきました。
しかし、採風ドアの登場により、防犯性を残しながら風通しを良くすることが可能となりました。
コロナ禍で換気の重要性が高まってきている現在、採風ドアは人気のデザインとなっています。
採風ドアのメリット
採風ドアの最大のメリットは風通しの良さです。
閉めきった空間というのは、空気中のウイルスや細菌などが部屋の中に留まり続けて増殖します。
これが梅雨の湿気による臭いやカビ、ハウスダスト等の原因となります。コロナウイルス対策にもよくありません。
しかし、風通しが良くなることで新鮮な空気を取り入れて、このような室内環境を改善できます。
換気によるメリットを挙げてみましたが、ここからは採風ドア特有のメリットに触れていきます。
メリット1:防犯性・防虫性が高い
冒頭でも言いましたが、採風ドアは施錠しながらでも換気出来るため、防犯性や防虫性に優れています。
一般的な採風ドアの採風部分(窓)の構造は、窓ガラス、格子、網戸で構成されています。
網戸が内蔵されていることで虫の侵入を防いでくれます。
さらにガラス面に格子があしらってある事で、窓から手を差し込むことができないため防犯面も安心です。
メリット2:取り扱いが簡単
玄関から換気をする方法のひとつとして、「玄関網戸」を設置することが挙げられると思います。
玄関網戸は換気性こそ優れてはいますが、取り付けや取り外し、お手入れが大変だというデメリットがあります。
しかし、採風ドアは窓を開ける操作と同じように換気を行うことができます。
また、採風部分の格子は内側から外せるものも多く、網戸の手入れも自分ですることが可能です。
換気は細めに行うことが重要なため、取り扱いが簡単なことは大きなメリットであると言えます。
メリット3:明るい玄関を作れる
従来の玄関は暗いイメージがあるかと思いますが、採風ドアは玄関を明るく出来るというメリットもあります。
製品の種類によって異なりますが、採風ドアには基本的に窓が配置されているので、そこから光を取り込むことができます。
風通しを良くしたい方だけでなく、明るい玄関を求める方も採風ドア導入を検討しても良いかもしれませんね。
メリット4:省エネ・健康にもつながる
採風ドアは夏の季節で特に活躍します。
外からの自然風が家に籠った熱を逃がしてくれることで、室内温度を下げてくれる働きがあります。
一定の条件で採風ドアの有る時と無い時を比較すると、採風有りは採風無しに比べて冷房エネルギーが年間約33%削減されるというデータもあります。(データ元:三協アルミHP)
エアコンの使う頻度が減ることで冷房依存の脱却も期待でき、健康的な暮らしに繋ります。
採風ドアを選ぶ時のポイント
採風ドアに限らず、玄関や勝手口に配置されるドアは外から見えるので、選ぶ際には気にするべきポイントはたくさんあります。
サイズ、材質、色、機能性など挙げるとキリがありませんが、その中でも採風ドアの大きな特徴である採風部分のデザインに焦点を当てて、選ぶときのポイントを紹介していきます。
ポイント1:採風部分の開き方
採風ドアの採風部分は「上げ下げ窓」と「内開き窓」の2種類に分けられます。
上げ下げ窓は、2枚の窓を上下にスライドさせることで換気が出来る仕組みの窓です。
メリットとして、扉の開閉時に邪魔にならない事、上下少しだけ隙間を開けたまま窓を施錠出来る事などの使い勝手の良さが挙げられます。
デメリットは採風部分が悪目立ちするため見た目があまり良くない事です。
また、内開き窓は1枚の窓を内側に開閉することで換気が出来る仕組みの窓です。
メリットとして外側の格子部分が目立ちにくく、採風ドアを感じさせないすっきりとした見た目が挙げられます。
デメリットは窓を開けると扉から出っ張ってしまうため、扉の開閉時に邪魔になってしまう事です。
これらの採風部分の特徴についてきちんと理解してドアを選んでみてください。
ポイント2:窓の大きさ・配置
採風ドアには必ず採風するための窓やスリットが取り付けられますが、その大きさや配置によって見た目や性能が変わってきます。
外からの風や光を多く取り入れたいなら大きい窓が付くデザインを選択し、見た目をすっきりさせたいならスリットタイプや縦型の内開き採風機構を選択すると良いでしょう。
ポイント3:断熱性能
採風ドアは窓から採風するという大きな特徴があることから、断熱性能は通常のドアより劣ると言われています。
玄関や勝手口の断熱性能が悪いとキッチンや廊下が寒い原因に繋がります。
各メーカーでは断熱に配慮された断熱タイプと普通の非断熱タイプの製品があるので、採風ドアを選ぶ際には断熱性能についても検討することをおすすめします。
採風ドアにかかる費用を解説
従来の玄関ドアのリフォームは、枠の撤去のために壁を壊したり床を仕上げ直したりといった大工事が一般的でした。
そのため、リフォームは費用も時間もかかるという印象があるかと思います。
しかし、現在のリフォームは「カバー工法」という施工方法が主流で、施工にかかる費用や時間をあまりかげずに工事が出来るようになりました。
既存のドア枠を残したまま新しいドア枠を被せるため、壁や床を壊す必要がなく施工は約一日で終わります。
また、リフォームの費用の相場はドアの製品種や施工現場によって差がありますが、大体以下の通りになります。
・カバー工法のリフォーム費用相場
=「新しいドアの製品代:20~50万」+「施工費用:5万~10万」+「既存ドアの廃棄代:1~3万」
従来の壁を壊す工事だと施工費用だけで20万前後かかってしまうので、施工費用がかなり抑えられていることが分かります。
このようにカバー工法のおかげで時間も費用も削減され、ドアのリフォームへの挑戦がしやすい時代へと変化してきました。
ただし、施工現場によってはカバー工法が対応できないことや、枠を完全に取り換えた方が安くなる事例もあるため、必ず現地調査をして見積りを出しておくことが大切です。
まとめ
今回は採風ドアのメリットや選ぶポイント、工事にかかる費用について解説しました。
採風ドアは手軽に換気でき、室内の臭いやカビを防ぐだけでなくコロナウイルス対策にも効果的です。
現在の生活様式に適したドアなので、玄関ドアや勝手口をリフォームする際には採風ドアを選んでみてはいかがでしょうか。
また、下の記事では他のコロナ対策も紹介しているため参考にしてみてください。
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