この記事ではDIY用のノコギリを選ぶ方法やオススメ製品を解説します。
電動ノコギリやエンジンチェーンソーについては他の記事で取り上げていますので、下記を参考にしてください。
記事監修者
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DIYでも使いやすい!のこぎりの選び方
DIYで使用するのこぎりを選ぶ場合は、以下のポイントをおさえてみましょう。
特に、のこぎりの種類・使い方はDIYを行う上で注目しておきたいポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。
選び方1:のこぎりの種類から選ぶ
のこぎりの種類には下記があり、DIYでの用途に合った種類を選ぶことが大切です。
両刃のこぎりとは、縦ひき用と横ひき用の鋸刃が上下についているのこぎりです。切りたい木材・断面に合わせて使い分けることができるので、様々な加工に用いることができます。
のこぎりといえばこの形を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ややコンパクト性に欠けますが、一般的なのこぎりと言えるでしょう。
胴付きのこぎりとは、片側に鋸刃がついているものです。鋸身が非常に薄く、刃が細かく連なっているので切り口がきれいな仕上がりになります。
一方で刀身が薄いので刃が曲がりやすくなってしまったり、折れやすいなどのデメリットがあります。木材が交差する部分の「ホゾ」を切断したり、板材同士の突き合わせを調整する場合などに使用するため、大型の板材切断には向いていません。ちなみに、「胴付き」とは板材の切断面(小口)同士を繋ぎ合わせて使用する作業を指す建築用語です。
引き廻しのこぎりとは、曲線状に板材を切断できるのこぎりです。石膏ボードや壁、天井などに穴を開ける際に使用する切断工具になります。小回りの利く刃を生かし、様々な形に加工できる特徴があります。
ただし、鋸身が非常に細く、刃を傷めてしまう可能性があるため、大きな板材や単純な切断作業には向いていません。
糸ノコとは、糸のように細い鋸刃を動かして切断する工具です。コの字型のフレームに鋸刃がついており、柄の部分を上下に動かして木材を切断します。直線や曲線といった細かな作業を行うのに向いており、様々な表現が可能です。
ただし、鋸刃は非常に細いので力を加えると鋸刃が曲がってしまったり、大きな板材が切断できないなどのデメリットがあります。
ダボ(木釘)切りのこぎりとは、木釘を打ったときに生じる余分な部分を切り取る「アサリ」のないのこぎりです。
多くののこぎりには早く切断できるよう摩擦抵抗を減らす「アサリ」と呼ばれる加工が鋸刃にされています。アサリがあるものは切断スピードが早いものの切り口が粗いといったデメリットがあります。一方、ダボ切りのこぎりのような「アサリ」のないものは摩擦抵抗が大きく切断スピードが劣るものの、切り口がキレイに仕上がるメリットがあります。つまりダボ切りのこぎりは、木釘の仕上がりをキレイに行える工具だといえるでしょう。
選び方2:切る素材から選ぶ
のこぎりの中には木材の切断以外にも、プラスチックや金属などの特殊な素材も加工できる製品が販売されています。
素材に合わせたのこぎりを選ばなければ、鋸刃を傷めてしまう恐れだけでなく、無理な力を加えたことで誤って怪我をする可能性もあります。
主にDIYで加工する素材に合わせてのこぎりを選ぶようにしましょう。
選び方3:用途から選ぶ
のこぎりには「縦挽き」と「横挽き」という2通りの使い方があります。
- 縦挽き…木目と平行して繊維を削りとるように木材を切断加工する(木材の幅調整で使用)
- 横挽き…木目と垂直に切断し、繊維を断ち切るように加工する(木材の長さ調整で使用)
DIYでは横挽き用のノコギリを多用するので、両刃ノコギリもしくは横挽き刃の片刃ノコギリを選ぶとよいでしょう。
両刃ノコギリであれば縦挽きと横挽きへ対応できるので、DIY初心者にはオススメです。
選び方4:長さから選ぶ
今や、ノコギリには様々な長さがあり、通常の木工DIY用であれば210〜270mm程度の製品を選ぶと扱いやすいでしょう。
一方で、木の枝や薄い板材を切断加工する場合は、小回りのきく刃渡りが短いノコギリがオススメです。
また、角材や太い板材を加工する場合は、刃渡りの長いノコギリを選ぶと効率よく作業を進めることができます。
選び方5:替刃や折りたたみの有無
のこぎりの中には携帯しやすい折りたたみ式や、材料に合わせて刃を替えられる替刃式ノコギリがあります。
折りたたみ式なら使用しない時も収納スペースをあまりとらなくて済みますし、使いたい時に安全に取り出せるメリットがあります。
また、替刃式ノコギリであれば様々な加工へ柔軟に対応でき、刃を傷めてしまった際も簡単に交換が可能です。
DIY初心者の場合は、折りたたみ式や替刃式のコスパが高くなりやすいのでオススメです。
選び方6:仕上がりイメージから選ぶ
ノコギリは「早く切れる製品」「綺麗に切れる製品」などがあるため、DIYの仕上がり目的に合わせて選ぶことも大切です。
下記のような仕上がりまでのイメージを考えながら、自分に最適なノコギリを見つけることがオススメです。
- どのような加工を行いたいのか
- どのような用途で使用するのか
- 精密な加工が必要か
- 解体のみに使うのか
とは言っても、最適なノコギリを見つけるのは難しいので、ここからはオススメのノコギリをいくつか紹介します。
DIYで使えるオススメのこぎり5選
この章ではDIYで使えるオススメのノコギリを紹介していきます。
ユーエム工業(Silky) ゴムボーイ 万能目
おすすめポイント
- 210、240、270、300mmのサイズ展開
- 折込式なので刃のコンパクトに収納可能
- コンペネのような縦・横・斜めの繊維が折り重なった合板も楽々切断
- ゴムボーイシリーズの刃であれば替え刃可能
- 切断面がキレイに仕上がるアサリなしを採用
WORKPRO 折込のこぎり
おすすめポイント
- 表刃・裏刃の先端に上目がついた三面歯状鋸刃で切断抵抗をおさえ、きれいな切り口に
- ハイスM2歯先と金型用鋼D6A鋸刃が重なり、太い枝、生木、薪も効率よく切断可能
- 安全ボタンで刃の収納ができるので鋸刃が自動ロックされ、安全に作業できる
- 握りやすいグリップと滑り止めグリップで快適に切断可能
角利 利五郎 両刃鋸
おすすめポイント
- 刃サイズ210mm、240mm、270mmの商品展開
- 縦挽きと横挽きへ両対応
- 昔ながらのオーソドックスなノコギリ
- 刃先の焼入れによって切れ味が長期的に保ちやすい
- 刃をカバーする収納ケースも付属
サムライ 騎士&一番 折込剪定鋸
おすすめポイント
- 刃サイズ180mm〜330mmまでの商品展開
- オートロック式ストッパーで安全に作業
- 日本刀のような切れ味で切断スピードを効率よくアップ
- 替刃ができるので刃を傷めてもすぐに交換可能
- 摩擦抵抗の少ない鋸刃なので切り口をきれいに仕上げられる
アルスコーポレーション 折込鋸Pシリーズ
おすすめポイント
- 安全ロック式なので作業中に突然刃が収納せず作業できる
- 替刃式なので刃こぼれしても簡単に取り替え可能
- アサリわけがないので切り口がキレイ
- 鋸刃を焼入しているので耐久性アップ